微細加工部門(銅賞)入賞作品 技術の卵|精密微細加工技術ニュースVol.22

後藤精機 社員が語る今月のコラム

微細加工部門(銅賞)入賞作品 技術の卵

専務取締役 後藤研一

第22回目となる、技術ニュースをお届け致します。
年の瀬もいよいよ押しせまり、皆様におかれましてもご多忙だと思います。
今年、最後の技術ニュースとして、第27回日本国際見本市「JIMTOF2014」DMG森精機様主催ドリームコンテスト微細加工部門で前回の金賞に引き続き、銅賞を獲得した作品の加工内容についてご報告させて頂きます。

今回の出品作を加工するにあたり掲げたテーマは、微細加工における、これまでのお客様の要望・案件を取り入れ、実際に納入した製品精度を盛り込んだ作品にすることでした。
前回の出品で金賞をいただき、微細加工のサイトをたちあげてからというもの、多数のお客様から様々な加工依頼をいただきました。

その中でも特に多かった加工内容は主に3つ、細穴加工、細溝加工、細ボス(ニードル)加工でした。
この作品はこの3つに、薄肉加工、5軸加工という加工要素をさらに加えてモデリングしました。
まず、細穴加工ですが、作品の花畑にあたる部分で、φ0.03~φ0.2の穴が計702か所空いています。
下からのライトアップですべて漏れなく貫通していることが確認できると思います。
次に細溝加工。作品の川の流れを表現した部分で、幅0.1~0.2の溝が44か所加工されています。


 

そして今回もっとも苦労した細ボス加工ですが、山の木を表現した部分で先端径0.04~0.2までのボスが68本加工されています。
ボスは高さや太さがそれぞれ異なり、かつそれが不規則に、曲面に立っていることで、同一平面上に同径・同高のボスを加工するのとは段違いの難易度(3DCAMに任せたパスでは、先端精度が確保できないため)になっております。
加工時は、折れや曲り、刃物の加工段差の解消に悩まされました。

また、薄肉加工は卵の殻の部分、厚みは0.2でエッジの部分までシャープに、かつ刃物のビビりを出さないように工夫しています。
5軸加工は殻のオーバーハング部、ボスとの干渉を回避してアンダーや隙間に刃物を走らせていくのに苦労しました。

最後に、これら一つ一つの要素を加工するだけでかなりの時間を要し、トータルで100時間にせまる加工になった結果、工具の折損や喰いこみ、製品部の変形といったトラブルを出すことなく加工完了させること、切削上がりの状態で手仕上げを加えることなく、美麗な加工面を実現させることが重要な課題となりました。
そのために加工条件の決定、時間の経過による工具長の変位を抑えるための温度管理や切削油のあて方にも工夫を凝らしました。

製作期間約2か月でまだまだ追求したいところも多々ございましたが、現状でできる技術要素はすべて盛り込んだ作品になっております。
早いもので、年末のご挨拶をさせて頂く時期となりました。

皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
皆様からの反響を頂き、無事技術ニュースをお届けする事が出来、厚く御礼申し上げます。
来年の技術ニュースも私たちの日々の取り組みをご紹介して行きますので宜しくお願い致します。

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