チタンの切削加工、精密、高精度切削加工の幾何公差|精密微細加工技術ニュースVol.41

後藤精機 社員が語る今月のコラム

第41回目となる、技術ニュースをお届け致します。

チタンの切削加工について 担当:H(MC)

弊社で購入可能なチタンは4種類です。
①純チタン2種  TP340 板材
②純チタン2種  TB340 丸材
③チタン合金(64チタン)  6AL-4V 板材
④チタン合金  GRADE5(ASTM規格) 丸材
使用用途によりお客様から指定を受け購入して切削加工を行います。
価格も高価で切削性が良い材料では有りませんが、切削加工を行う上での注意点を押さえ、形状に合わせた加工条件を使用すれば対応は可能です。

①微細加工の部品
刃先に負荷が掛かりやすく磨耗が大きい為、「刃先欠損」等が発生する。
高回転での微細加工では注意が必要。
②五軸加工の部品
形状の厚みや曲面が変化する部分で「びり」、「振動」や甲高い加工音による騒音が発生する
出来る限り切削量を減らす工夫が必要。

加工が難しい材料ですがチタンの特徴を必要とする部品は沢山あります。
①鉄に比べると軽くて、アルミより強いので薄くて丈夫な部品が製作出来る。
②耐食性が高く、アレルギー反応も起きにくい材質のため、医療部品等に向いている
今回の技術ニュースも私たちの日々の取り組みをご紹介していますのでご覧ください。


精密、高精度切削加工の幾何公差について 担当:H(検査)

精密加工は求められる寸法により加工の注意点や検査方法が違います
(求められる寸法及び幾何公差)
①平行度、平面度、直角度を0.01mm以下にする
②位置度を±0.01mm以下にする。
③面粗さをRa0.2以下にする
④真円度、円筒度をφ0.05以内にする。
⑤同軸度をφ0.05以内する
⑥大きさが米粒大等の微細加工
(加工で注意する点)

A_ソリや歪みを無くす加工
①切削工具の切れ味
②部品のクランプで負荷を掛けない事
③切削負荷の掛からない加工条件
④材料の歪や面精度

B_精密に位置を出す加工
①加工機(マシニングセンター)の精度
②切削工具の精度
③部品が加工時に動かない為のクランプ力
④部品の材質や形状に合わせた加工条件
⑤部品をクランプする位置精度
⑥同工程で加工が可能

C_高精度な形状を作る加工
①加工機(マシニングセンター)の精度
②切削工具の選定
③形状に合わせたクランプ方法
④部品の大きさや形状に合わせた加工条件
⑤加工部の大きさや形状に合わせた加工方法
⑥同工程で加工が可能

その他、加工環境や使用工具によっても精度は変化しますが、この様な注意点を考慮して切削加工を行う事により、お客様の要望に応えられる精度を満たした部品を製作する事が可能になります。

 

 

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