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POMの射出成形時の注意点、切削加工を行うためのワークの固定方法(バイスの使用について)、ゲージを使用する事による品質の均一化(リングゲージによる検査)|精密微細加工技術ニュースVol.13

後藤精機 社員が語る今月のコラム
第13回目になります、技術ニュースをお届け致します。

POMの射出成形時の注意点

担当:S(成形)

POMは摺動性が良く、強度も高いことから機構部品として広く使用されている材料です。
今回は、弊社でも取り扱機会の多い、POMの射出成形時の注意点について取り上げます。

まず、POMの射出成形を行う際の最大の注意点は、安全への配慮です。

樹脂メーカーが多様なグレードのPOMを作っておりますが、基本的には、融点を超える溶融状態で滞留させてしまうと分解ガスが発生するものと考えるべきです。
最悪のケースとして、POMから発生した分解ガスの逃げ場がなく、シリンダーの内圧が上昇し、爆発する危険性がありますので、POMの長時間滞留は厳禁です。

次に、POMの成形条件を行う際の注意点ですが、POMは成形温度や射出速度、保圧を高くすると、金型の勘合部やパーティングラインにバリが発生しやすい傾向にあります。
結晶性の樹脂であることから、射出成形後の時間経過に伴い、結晶化が進み、寸法が小さくなる性質があります。

これらの影響を出来るだけ抑えるために、弊社ではPOM条件出しを行う際はバリ対策として、成形温度、射出速度、保圧は高く設定しないようにしています。

また、寸法変化の対策として、品物が金型内部にある状態で結晶化を進行させるようにします。

以上のようにして、成形条件を決めることで、POMの成形品のバリを抑え、なおかつ成形後の寸法安定性を高めることができるため、高精度、高品質の品物をお客様にご提供しております。
今回の技術ニュースも私たちの日々の取り組みをご紹介していますのでご覧ください。

切削加工を行うためのワークの固定方法(バイスの使用について)

担当:M(MC)

切削加工では加工物を固定する方法に悩むことが多々あります。
加工物ごとに専用の固定治具を作成するという方法が最良ですが、図面を貰い、製作するという工程はたくさんで実際に加工に入るまでには、試作加工の場合、時間がかかり、コストアップになります。

加工物を挟んで、簡単に固定して、加工に入ることが出来る治具にバイスがあります。

そこで、今回はバイスを使用した場合の、注意点を挙げてみます。
バイスはサイドクランプであるため固定する面に平行面がないとしっかり固定できません。

また、締め付け力が強すぎると反りの発生がします。だからといって、軽い締め付けにすると加工精度のばらつきが発生したり、最悪は、加工物がバイスから外れ飛ばされてしまう事があるので注意が必要です。

また、バイスで固定が難しい加工物のひとつに薄物加工があります。
これはバイスの構造上締め付けると上面方向にワークが盛り上がり、厚み精度出しに熟練の技術が必要になります。

柔らかい材質、樹脂や非鉄金属などは、締め付けトルクを考慮しないと、先に書いた様な現象が簡単に発生します。
固定治具を作製することなく加工に入れるメリットを活かす為には、デメリットを良く理解して使用する事が重要です。

ゲージを使用する事による品質の均一化(リングゲージによる検査)

担当:H(検査)

検査ではいろいろなゲージを使用しますが、当社で頻繁に使用するのが、リングゲージです。
ボス径をチェックする際にだれでも同じ判断ができます。

例えば、φ4g(-0.01~-0.04)ボスをチェックする場合ピンゲージでφ3.98入り、φ3.99止めの穴の開いたゲージを作り、リングゲージの穴にボスが根元まで入るかを確認します。

次にピンゲージでφ3.96入り、φ3.97止めの穴の開いたゲージを作り、リングゲージの穴にボスが入らないのを確認します。

これによりボス径がφ4gを満たしている事が確認できます。

ノギスやマイクロメーターで測定すると、人によって力加減などによる測定誤差が生じてしまいますが、リングゲージだと、誰が使用しても、入りと、止めの判断だけなので測定誤差を気にしなくて済みます。

また、ボスの根元が太くなっているのもこれを使うことにより、ゲージが底面までしっかり入るかで判断が容易になります。
加工途中の中間チェック、製作数の多い部品の全数チェックなどで大いに役立っております。

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