Ⅵ. ワイヤー放電加工における工数削減と品質向上のポイント

⑤ワイヤーカットによる加工品質向上のポイント

Before

微細加工時のバリ発生

放電加工のみでは時間が掛かってしまう。赤穴を切削加工。穴と穴がぶつかるところにバリが発生。

上図のような形状の微細加工部品の場合、製品内部で加工穴が交差することになります。
この場合、どちらの穴を先に空けても後から加工する穴に曲がりやバリが発生してしまい大きな問題になります

After

微細加工時のバリ発生回避

最初に赤穴を切削加工。黄色穴を切ワイヤカット。穴と穴がぶつかるところにバリが発生しない。

先に切削加工によってひとつの穴を加工しておきます。後から空ける穴を放電加工にする事で切削加工では必ず発生してしまうバリを防ぐことができます。また、貫通穴の精度も向上します。

微細加工の順序を工夫する

微細形状を持つ部品の中で、上図のように2つ穴が交差し途中に空洞がある穴は、空洞に入る時にバリが発生し、次の壁に穴を空ける時にブレや曲がりが発生します。マシニング加工と放電加工を組み合わせることでバリを気にせずに加工することができます。放電加工では切削負荷が掛からないので精度が保てます。